2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子デザインに基づくDNA折り畳みとクロマチン調節機構の解析
Project/Area Number |
17655077
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村田 静昭 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50157781)
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Keywords | DNA折り畳み / ポリアミン / プテリジン / インターカレーション / キラル分子認識 |
Research Abstract |
ヌクレオソームにおけるDNAの折り畳み現象を解明するため、溶液中でカチオン性凝縮剤を用いる長鎖DNAのコイル⇔グロビュール折り畳み相変化を用いてシミュレートする基礎研究を行った。凝縮剤の構造デザイン手法により、既に明らかにしているカチオン電荷の空間的な関係,疎水性相互作用,キラリティー,インターカレーションなどがもたらすDNA折り畳み過程の調整メカニズムを研究した。DNA折り畳み活性の大きな4価のポリアミンであるスペルミンと活性の小さな2価の1,3-ジアミノプロパンにそれぞれ2種類のプテリジンを結合させて合成したプテリジン-ポリアミン複合体は、+電荷が1ずつ減少しているにも関らずもとのポリアミン同等以上の活性を示すことを明らかにした。さらにDNAにインターカレーションするプテリジン-ポリアミン複合体は、単独DNA分子鎖上に部分的に凝縮した状態を形成する分子内相分離中間体を経て折り畳まれるメカニズムを通ることを見出した。これらの結果については既に論文に発表した。インターカレーションのような二重ラセンへの結合がDNA折り畳みに及ぼす効果を理解するために、1,3-ジアミノプロパンの片方のアミノ基を選択的にアシル化した化合物を合成しその効果を検討中である。一方、キラリティーの違いがDNA折り畳み転移に及ぼす効果について、既に両光学異性体間で大きな差が見つかったポリアンモニウム凝縮剤の電荷を2価から4価に増やすと凝縮能における光学異性体間の差がなくなってしまうことを見出し論文発表した。このような現象が一般的なものかどうか、またDNAの凝縮に差を及ぼすキラル分子認識のメカニズムを明らかにするために異なるC2キラリティーをもったポリアミンを使い研究中である。
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Research Products
(5 results)