2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNA自己組織化に基づくカーボンナノチューブアレイの構築
Project/Area Number |
17655085
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真嶋 哲朗 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00165698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 清彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50314422)
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Keywords | カーボンナノチューブ / DNA / 分子フィルター / 一分子蛍光 / 全反射蛍光顕微鏡 / 自己組織化 / 二酸化チタン / 酸化反応 |
Research Abstract |
DNAの自己組織能に基づくカーボンナノチューブのアレイ化を試みると共に、カーボンナノチューブの単層薄膜からなる分子フィルターの構築を目指すものである。カーボンナノチューブは導電性を有し、幅が数nmしかないため量子細線としての応用が期待されている。しかしながら、ナノチューブをアレイ化する技術は確立されておらず、微細構造形成の技術が求められている。そこで、ナノ構造構築の情報を組み込んだDNAをカーボンナノチューブに修飾し、DNAのハイブリダイゼーションによる集合化により、カーボンナノチューブのアレイ化を行うとともに、分子フィルターへの応用を試みる。本年度は、カーボンナノチューブのアレイ化を可視化することを目的とし、全反射蛍光顕微鏡を用いた一分子蛍光顕微分光システムの構築を行った。この手法は極低背景光下で一分子レベルの発光を検出できることから、カーボンナノチューブに修飾した色素からの蛍光からアレイ化のプロセスを直接観察できる。そこで、分光器および高感度CCDカメラを備え付けた全反射蛍光顕微鏡を開発した。予備実験として、カバーガラス表面に修飾した蛍光色素が非接触二酸化チタン光触媒酸化反応によって退色する過程を観察した。一段階での退色過程および蛍光強度のヒストグラム解析から色素一分子からの蛍光を検出していることを確認した。また、光触媒反応によって生成した酸素活性種が蛍光色素を酸化することにより、一分子蛍光スペクトルが約18nm短波長側にシフトすることを見出した。この結果は色素の退色過程には弱蛍光を示す中間体が存在することを示している。以上から、本システムは一分子レベルでの蛍光像および蛍光スペクトルの観測が可能であり、化学反応の時間・空間解析において強力な手法となり得ることが示された。今後は、主たる目的であるDNA修飾カーボンナノチューブのアレイ化とその可視化に取り組む予定である。
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Research Products
(55 results)