2005 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜ナノ構造を有する有機-無機ハイブリッド膜の創製
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17655100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中條 善樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (70144128)
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Keywords | 有機-無機ハイブリッド / 傾斜材料 / ナノ構造 / ゾル-ゲル法 / ガス透過膜 / 水素結合 / π-π相互作用 / 多孔質シリカ |
Research Abstract |
本研究は、有機高分子と無機マトリックスが分子レベルで組み合わされた有機-無機ポリマーハイブリッドを用いて、ガスの選択的透過を行おうとするものであり、従来の有機高分子膜や無機膜とは全く異なった特性が期待できる。このような有機-無機ポリマーハイブリッドを用いたガス透過膜はこれまでに例がなく、全く新しい発想である。本年度は、有機-無機ポリマーハイブリッドを製膜し、分子複合材料としての優れた特性を活かして、ガスの選択透過膜としての利用を目的として研究を行った。 有機-無機ポリマーハイブリッドを、有機高分子存在下でのアルキルシリケートのゾル-ゲル反応により合成した。有機高分子としては、シリカゲルマトリックスとの相溶性を考慮して、水素結合受容官能基であるアミド基を繰り返し単位とする、ポリオキサゾリンやポリビニルピロリドンなどを使用した。また、無機マトリックスの出発原料であるアルキルシリケートは、メチルトリメトキシシランや、フェニルトリメトキシシランなどの三官能性のものを用いて、有機-無機ハイブリッドの合成に成功した。 得られたポリマーハイブリッドをディッピングやスピンコーティングの手法を用いて製膜した。ハイブリッド膜の均一透明性は、既存の紫外可視分光光度計や赤外分光光度計によって評価した。また、ハイブリッドの焼成により得られる多孔質シリカの細孔径を測定することによっても、有機成分のドメインの大きさ、すなわちハイブリッドの均一性を評価することができた。
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