2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656010
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
坂本 謙二 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 主任研究員 (00222000)
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Keywords | 光誘起配向 / ポリイミド / ポリフルオレン / 分子配向制御 / 分子配向パターン / アゾベンゼン / 有機デバイス / 分子ワイヤー |
Research Abstract |
アゾベンゼンを骨格構造に含むポリイミド(Azo-PI)膜を配向テンプレート基板として用いることにより、ミクロン・スケールの分子配向パターンを有するポリフルオレン(液晶性π共役高分子)薄膜を作製することに成功した。配向テンプレート基板の分子配向パターンは、Azo-PIの前駆体であるポリアミック酸(Azo-PAA)の膜にフォトマスクを通して偏光露光を行うことによって作成した。まず、波長340-500nmの直線偏光を厚さ19nmのAzo-PAA膜全面に11J/cm^2照射した。次に、フォトマスク(ライン・アンド・スペース・パターン)をAzo-PAA膜に密着し、1回目の光照射の偏光に直交する方向に偏光した光を19J/cm^2照射した。その膜を熱イミド化することによってAzo-PIテンプレート基板を得た。そのテンプレート基板上にポリフルオレンをスピンコートし、窒素雰囲気中で220℃、1時間加熱した後、210℃から室温まで急冷することによってガラス状ポリフルオレン薄膜(膜厚〜30nm)を作製した。偏光蛍光顕微鏡観察から、ポリフルオレン骨格構造の配向方向が直交するライン・パターンが形成されていることがわかった。現在のところ、3μm間隔のパターンの作成に成功している。 また、光配向処理されたAzo-PI膜に直接吸着した棒状の低分子(シアノビフェニル)が、液晶性の有無にかかわらずAzo-PI骨格構造に沿って配向することを明らかにした。この結果は液晶性を示さない分子に対してもAzo-PI膜が配向テンプレート基板として有効であることを示唆するものである。 現在、ミクロン・スケールで任意の分子配向パターンを書き込むことができる分子配向パターン描画装置を構築中である。
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