2005 Fiscal Year Annual Research Report
無電界電子放出源を目指したナノ構造光起電力薄膜の研究
Project/Area Number |
17656014
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
木下 治久 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (70204948)
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Keywords | プラズマCVD / a-CN_x:H膜 / フィールドエミッタ / 電界電子放出 |
Research Abstract |
次世代表示素子であるフィールドエミッタ用材料として期待される窒化炭素(a-CNx : H)膜の堆積法とその物性、そしてフィールドエミッタへの応用例を研究した。スーパーマグネトロンプラズマ装置の上下電極に印加するRF電力を最適化することにより、比較的軟質な膜から硬質な膜を作製可能とした。膜の硬度は基板に印加する高周波電力に強く影響され、高周波電力を小さくすると軟質な膜になり、高周波電力を大きくすると硬質になる傾向であった。軟質な膜はポリマー状であって、光学的バンドギャップが2eV以上と大きくなり、波長325nmの紫外線レーザー照射により白色に近いフォトルミネッセンスを示した。硬質な膜はダイヤモンド状であって、光学的バンドギャップが1eV以下と小さく、抵抗率が比較的小さくなった。この抵抗率の小さな膜に負の電圧を印加すると、高真空化において電子を電界放出した。詳細は以下のとおりである。 スーパーマグネトロンプラズマCVD装置に原料ガスのイソブタンを導入し、窒素の添加ガスを混入して成膜実験を行った。上部電極と下部電極のRF電力(UPRF/LORF)、を独立に調整することにより、光学的バンドギャップ、硬度、等を測定し、膜の物性を調べた。窒素濃度を70%とし、基板を置いた下電極の自己バイアス電圧を-18V〜-480V程度(10W/0-800W)にすると、光学的バンドギャップが2.6eV〜0.22eVと大きく変化した。膜の硬度は5.9GPa〜27.5GPaまで大きく変化した。バンドギャップの大きな膜はやや緑がかった白色のフォトルミネッセンスを示し、バンドギャップの小さな膜は閾値電界15V/μm程度にて電界放出した。
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