2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656015
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
掛川 寿夫 香川大学, 工学部, 助教授 (50325320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 直樹 , 工学部, 教授 (20325327)
小川 一文 , 工学部, 教授 (60346632)
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Keywords | 表面・界面物性 / 薄膜 / 流体力学 / 臨界現象 / 輸送現象 |
Research Abstract |
固体表面上の液体による撥水効果あるいはその逆の濡れは表面・界面科学のもっとも基本的な現象の一つである。それには固体・液体それぞれの性質(表面張力)と固体-液体界面の性質(界面張力)とが重要な役割を果たす。しかしながら、この分野では現在まで主として静的な振舞に重点を置いて研究されてきた。本研究では撥水効果の動的側面に注目して調べた まず、さまざまな撥水処理を施した表面を徐々に傾け、液滴が動き始める角度を測定した。具体的には素材のアルミニウム片に吸着液としてKBM、脱水シェルゾール、ネオスタンu-220を用い、それをガラス板に張り付け液滴の転落を観察し転落し始める角度を測定した。表面エネルギーは2.6mN/mから24.mN/mの5種類、液滴の量も0.02mlから0.08mlまで5種類変えて測定を行った。 さらに液滴(水滴)内の流れを見やすくするために微粒子を混ぜ転落時の振舞をビデオカメラで撮影し、解析を行った。4種類の単分子膜を形成し(表面エネルギーは0mN/mから20.6mN/mの4種類)、液滴の量は60μlから100μlの3種類で実験を行った。まず映像より水滴内の水は転落に伴い回転していることがわかった。したがって、水滴内の水は表面部分の運動に影響を受けていることになる。具体的メカニズムとして、この回転は水滴表面部分の動きに起因する速度場勾配による粘性力の効果と考えられる。したがって次の段階として、実際にビデオ映像から測定された水滴内部の運動を理論を使って半定量的に理解することを考えている。また、その次の段階として表面に沿った空気の流れ(風)がある場合に転落の臨界角がどのように影響を受けるかを調べる予定である。
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