2005 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムシリサイド半導体のSi表面上エピタキシャル成長
Project/Area Number |
17656016
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
西垣 敏 九州工業大学, 工学部, 教授 (60126943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 晃彦 九州工業大学, 工学部, 教務職員 (80363406)
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Keywords | シリサイド / カルシウム / 界面反応 / エピタキシャル成長 / 環境半導体 / 準安定原子誘起電子分光 / 低速電子線回折 |
Research Abstract |
本研究は、環境適応半導体材料としてカルシウム-シリコン化合物に注目し、直接遷移型であるCa_2Siの結晶性薄膜をSi表面にエピタキシャル成長させる方法を見つけることをめざす。 初年度はSi(111)表面上Ca-Si初期界面の固相反応をオージェ電子分光AES、準安定原子誘起電子分光MIES、X線光電子分光XPSと低速電子線回折LEEDで分析し、表面に形成される物質相の構造の解析を行った。以下に結果を要約する。 1.Si(111)表面に吸着した一原子層以下のCaが作る超構造:アニーリングによりCa吸着量を減じていくに従って順次2×1,5×1,3×1超構造が現れた。基板の微斜面性に影響されて、周期が大きいほど単ドメイン化されている。各構造に対応するMIESスペクトルを測定した。 2.Si(111)表面に蒸着された数原子層Caと基板Siの反応(温度依存性):温度200-300℃で成長化合物のAESスペクトル(Si-LVV)にCa_2Siの特徴(Si-3sの局在性に由来するピーク)が現れた。MIESとXPSの結果もこのAES結果と一致した。 3.Si(111)表面にCaとSiを混合吸着させた層での反応:温度200-300℃の範囲でCa_2Si類似の化合物が成長した。更に高温ではSiの割合が多い化合物(CaSi,CaSi_2に近い物質相)が成長した。但しこれらシリサイド結晶に対応するLEED回折像は得られなかった。 今後、低温固相反応の精密実験でCa_2Si結晶成長の条件を探索すること、バッファー層或いはサーファクタントを用いた成長の試み、また成長したCaシリサイドの表面酸化に関する実験を行う。
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