2005 Fiscal Year Annual Research Report
GaN/A1N量子構造による光通信域・超高速光検出素子の探索的研究
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17656026
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 教授 (90134824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 一郎 上智大学, 理工学部, 助手 (00266074)
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Keywords | ガリウムナイトライド / アルミニウムナイトライド / 量子準位間遷移 / 光通信 / 光検出器 / ナノコラム / ISBT / サブバンド間遷移 |
Research Abstract |
本研究では、GaN/AlN量子構造で発現される1.55μm波長域量子準位間遷移(ISBT)を利用した超高速光検出器の可能性の検証を目標とした。我々は1996年に、世界に先駆けてGaNナノコラムと呼ばれる貫通転位の無い柱状GaN結晶の成長を報告しており、ここでは導電性を有するSi基板上GaNナノコラム中にGaN/AlN多重量子構造を内在したISBT光検出器構造の試作と動作検証を試みた。ナノコラム結晶は貫通転位を含まない高品質結晶であることから、リーク電流が少なく、刃状転位に起因する偏波依存吸収の無い、高性能ISBT検出器の実現が期待される。 (1)GaN/AlN量子ディスクナノコラム結晶の成長と評価 分子線エピタキシー法を用いて(111)Si基板上にGaNドット、n-GaNナノコラム、GaN/AlN多重量子井戸、n-GaNナノコラムの順に結晶成長を行った。断面SEM観察により、互いに独立した柱状結晶の形成が確認された。X線回折測定からは周期構造に起因するサテライトピークが観測され、良好な周期性を有するGaN/AlN量子構造の形成が確認された。室温フォトルミネッセンス測定ではピエゾ電界による量子閉じ込めシュタルク効果に起因する発光波長の長波長が観測された。これらの結果から、GaN/AlN多重量子ディスクを内在する設計どおりのナノコラム結晶の成長が確認された。 (2)GaN/AlN量子ディスクナノコラムISBT受光素子の作製と室温光検出動作 GaN(1.1nm)/AlN(5.6nm)多重量子ディスクを有するナノコラムウェハの表面に直径500μmのTi/Al円電極を形成した。Si基板と表面電極間に電圧を印加しながら、表面電極側から波長1.47mm半導体レーザ(出力5〜120mW)を斜め方向から照射して光検出特性を評価したところ、ISBT特有のp偏波に対する光電流の検出が確認された。これは、世界で初めてのGaNナノコラムISBT光検出器の室温動作であり、本研究によってナノコラムISBTという新しい超高速光検出器の可能性が示された。
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Research Products
(5 results)