2006 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーによるダイヤモンド状炭素薄膜のナノ構造制御とゼロ摩耗面の実現
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17656045
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| Research Institution | Fukui National College of Technology |
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Principal Investigator |
駒井 謙治郎 福井工業高等専門学校, 校長 (70025948)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安丸 尚樹 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90158006)
加藤 寛敬 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30311020)
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| Keywords | フェムト秒レーザー / アブレーション / DLC / ナノ構造 / トライボロジー |
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| Research Abstract |
精密3軸ステージによりフェムト秒レーザーをDLC薄膜表面に照射し、周期的微細構造(ナノ構造)とGCへの表面改質層を大面積に加工する技術を開発した。照射方法としては、直線状の走査線を少しずつ(距離L)平行にずらしながら行う(a)平面状照射と、走査線を一定間隔(距離H)空けながら直交させて行う(b)網目状照射を行った。基本的に集光スポット径(D)は約240μmを用い、L=D/2=120μm、 H=2D=480μmとし、照射面積は最大で50mm×50mmした。レーザービームのスポットが同一場所に100〜200パルス照射され、レーザー走査により形成される表面のうねりが小さくなるように調整した。レーザー照射面は、アブレーション閾値近傍の低強度照射時にはほぼ均一にナノ構造が形成され、同時にGCに改質されることを確認した。レーザー走査により形成される表面のうねりは、10nm以下で極少量であった。
平面状照射によりナノ構造が形成されたDLC薄膜に対し、ボールオンディスク型摩擦摩耗試験機により、超硬ボール(HV1600)と軸受鋼SUJ2ボール(HV600)に対し実荷重下(10N)での摩擦係数の変化をモニタリングした。その結果、相手材が軸受鋼ボールの時は摩擦係数が減少する傾向を示し、超硬ボールの時はほとんど変化しないことが判明した。さらに、ナノ構造形成後MoS_2薄膜を0.5〜1μm複合して被覆することにより,摩擦係数が大幅に低下し、超硬ボールに対しては0.02〜0.04の極めて低い摩擦係数を示すことを見出した。一方、網目状照射によりナノ構造を形成したDLC薄膜は、表面の起伏がほとんど変化しない状況で摩擦係数が大幅に増加することが判明した。このようにフェムト秒レーザーのナノ加工技術を用いることにより、DLC薄膜のトライボロジー特性を大幅にまた局部的に制御できる可能性を見出した。
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