2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656054
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
峠 睦 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (00107731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 純二 熊本大学, 工学部, 教授 (40281076)
坂本 英俊 熊本大学, 工学部, 助教授 (10153917)
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Keywords | CVDダイヤモンド膜 / ダイヤモンド核生成密度 / 基板前処理 / 傷付け処理 / ディップ法 / 超音波 / シリコン基板 / 導電性 |
Research Abstract |
本研究はシリコン基板上に高品位で微細線形状の導電性CVDダイヤモンド薄膜の成膜技術を開発することを目的としている.これまでの成膜技術である傷付け処理およびディップ処理に改良を加え,超音波振動を新たな発想と独自の技術で組み込み,CVDダイヤモンド薄膜の形状を直線,円などにすることができた.以下に今年度の成果を具体的に示す. 1)シリコン基板と直径3mmのステンレス球数個をダイヤモンドスラリー中に浸漬し,ステンレス球に外部から超音波を重畳させてダイヤモンド粒子を基板に打ち込む.その際,ステンレス球の運動をガイドにより抑制することにより,任意の領域にダイヤモンド粒子が打ち込まれる.ガイドの形状を変えることにより,点,直線,曲線,真円あるいは針状のCVDダイヤモンド膜が得られることを確認した.ダイヤモンド核発生密度は10^9〜10^<10>個/cm^2と高いことがわかった. 2)CVDダイヤモンド膜の微細線化はガイドの精度に依存しているが所期の目的を達成し,幅70μm〜200μmとすることができた. 3)上記の1)ではダイヤモンドスラリー中で行ったが,ダイヤモンド砥粒が存在しない純水中で同様の処理を行っても核密度は5×10^8個/cm^2と若干低いもののCVDダイヤモンド膜が形成されることを確認し,核発生メカニズムに考察を加えることができた. 4)密度がステンレス球より小さいアルミナ球を用いて1)と同様の実験をしたところ,より高い核生成密度でダイヤモンド膜が形成されることがわかった.このことから,ダイヤモンド砥粒の打ち込み時のひずみ量をより低減させれば,さらに高品質なCVDダイヤモンド膜の形成が実現できることがわかった. 5)MCP(メカノケミカルポリシング)による鏡面化の予備実験を行い,研磨できることを確認した. 6)ホウ素をドープすることによるCVDダイヤモンド薄膜の導電性化は次年度に行う.
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