2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656054
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
峠 睦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00107731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 純二 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40281076)
坂本 英俊 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10153917)
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Keywords | CVDダイヤモンド膜 / 細線化 / プラズマCVD / 前処理技術 / シリコン基板 / 核生成密度 / 精密研磨技術 / ラマン分光 |
Research Abstract |
本研究では,ダイヤモンドCVD膜形成基板の前処理技術として長時間の超音波による前処理技術を開発するとともに,原料ガスとしてのメタン濃度を変化させた場合の膜成長特性への影響,核生成密度を向上させるタンタルの触媒効果について注目し,核生成密度,膜成長速度および細線化の向上を試み,高品質化を促進するための実験研究を行った. 以下に,本研究で得られた主な結果を示す. (1)超音波前処理の時間を従来の3倍まで長めることで,超音波前処理の核生成原因と考えられる基板表面の傷,基板表面へのダイヤモンド粒子の打ち込み共に向上させた. (2)CVD時にキャリアガスである水素に対するメタン濃度を3%に高めることで核生成密度も2.0×10^9cm^<-2>以下となりCVD1時間で均一な膜を成長させることができた.この結果より,膜の成長を早め短時間でダイヤモンド膜の生成が可能になった. (3)超音波前処理時にダイヤモンドスラリーを使うことなく,基板を純水中でステンレス球により衝撃を加えた.この基板上にCVDを行った結果,ダイヤモンドスラリーを用いたときと同程度の1.6×10^9cm^<-2>という核生成密度が得られることを確認した. (4)ダイヤモンド微粒子にタンタル微粒子を1:1の割合で混入したスラリーを用いることで,核生成密度を1.2×10^9cm^<-2>から4.0×10^9cm^<-2>へ増加させることに成功した.このタンタルと,長時間の超音波前処理などを組み合わせることで,さらなる核生成密度向上が期待できる. (5)紫外線照射下で石英工具による加工によって,ダイヤモンドCVD膜表面の粗さを,加工前の基板表面粗さRa153.9nmから,加工5時間後の基板表面粗さRa9.9nmまで大幅に軽減することができた.この結果より,非常に精度の問われる光学窓などの分野へのダイヤモンドCVD膜の使用が可能となった.
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