2005 Fiscal Year Annual Research Report
弾性表面波を利用した摩擦駆動型サブナノメートル位置決めスライダの開発
Project/Area Number |
17656055
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
足立 幸志 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10222621)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 康司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005443)
BOYKO Stoimenov 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60361119)
|
Keywords | 弾性表面波 / 摩擦駆動 / 摩擦帯電 / 摩耗 / 表面テクスチャ / 位置決め / 高周波 / 超音波モータ |
Research Abstract |
10MHz-100MHzの高周波,サブナノメートルの低振幅であり,高い振動エネルギーを有する弾性表面波に着目し,従来不可能であった超精密(0.5nm),高速(1.5m/s)かつ広範囲(理論上は無限平面)での位置決め可能なシステムを開発することを最終目的とする本研究において,1年目の本年は,弾性表面波の励振が可能な精密位置決めスライダを試作しその性能評価を行なった. 得られた主要な結果は,以下の通りである. 1.圧電基板上に配置した2組の電極により一軸に弾性表面波を励振させるスライダを試作し,表面に微小突起を有するスライダの駆動が可能であることを実証した. 2.弾性表面波モータの推力は,駆動回数に伴い徐々に減少し,駆動不可能な状態となる.これが弾性表面波モータの寿命であることを明らかにした. 3.弾性表面波モータの推力減少の主原因は,摩擦駆動時に発生する摩擦帯電により,ステータの摩擦駆動部の表面電位が上昇し,ステータの振動特性が劣化することである. 4.弾性表面波モータの摩耗は,スライダ表面の微小突起によりステータが削られることにより発生する.また,これらの摩耗は,スライダが停止する減速時に発生する. 5.3にて発生した摩耗粒子は,スライダの摩擦駆動面に付着し,発生しえる最大推力を下げる原因となる. 6.除電を行ないながら弾性表面波モータを用いることにより,寿命の大幅な改善が可能であることを実験により明らかにした.
|