2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロスケール空間における臨界点近傍流体の特異なメカニズムの解明
Project/Area Number |
17656062
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 悟 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (90192799)
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Keywords | 数値解法 / 超臨界流体 / 臨界点近傍 / 二酸化炭素 / 前処理法 / マイクロスケール / Peng-Robinson EOS / PROPATH |
Research Abstract |
熱物性データベースである、PROPATHを新たに導入することにより、任意物質の超臨界流体が数値計算できるようになった。PROPATHには、48種類の物質に関する熱物性値関数が定義されており、これをこれまで開発してきた超臨界流体の数値解法に完全にリンクさせた。本計算コードを用いて、高さ1mm以下の二次元正方空所内における強制対流ならびに自然対流を計算した。その結果、理想気体においては、同一のレイノルズ数やレイリー数においては、相似則が成り立つのに対して、たとえば、臨界点近傍における、二酸化炭素、水、窒素、メタン、ならびにヘリウムなどについて同一レイノルズ数の強制対流ならびに、同一レイリー数の自然対流を計算したところ、それぞれの熱物性値の違いから、必ずしも同一の熱流体挙動が得られるとは限らないという結果を示すことがわかった。特に、ヘリウムにおいては、臨界点温度がそもそも5K近傍であり、熱伝導性が極めて高いため、他物質と比較して、相対的に自然対流が起こりにくいという結果を得た。また、昨年度計算した二酸化炭素のRayleigh-Benard対流と、水の場合について計算により得られた結果を比較したところ、同一レイリー数にもかかわらず、明らかに異なる非定常流動挙動を示しているという結果を得た。これらの研究成果については、サンディエゴで開催される5th Joint ASME_JSME Fluids Engineering Conference,2007で発表する予定である。
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