2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸田 薫 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (50260451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 敦樹 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (60371142)
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Keywords | 触媒 / 電場 / 吸着 |
Research Abstract |
初年度となる平成17年度は、触媒反応装置と電場印加方法の製作・改良を行った。反応器ははじめ,筒状のヒータ内の触媒電極に,接地極に対してバイアスをかけるタイプとした。メタン空気混合気,当量比0.80,反応器内の平均流速0.30m/sで白金触媒に対して基準となる接地電極に+100Vおよび-100Vのバイアス電圧を印加した。810℃程度の触媒温度に対して,最初に+100Vを印可したところ,触媒温度が50〜60℃上昇し,明確な反応活性促進が観察できた。またその後-100Vを印可したところ,温度がバイアス電圧印加前の水準までほぼステップ状に低下することも確認できた。この間,バイアス電圧の印可に対して電流はほぼゼロであり,外部エネルギーの投入無しに触媒活性の向上が確認できたことになる。バイアス電圧の極性を変えながら,混合気を供給して実験を繰り返したところ,再現性にやや難はあるものの,正の電圧印加時に反応促進効果が見られ,負の場合には電圧を印加しない状態と同じか,少なくとも反応を抑制する方向に作用することが確認できた。 最初の反応器は,接地極に対してバイアスをかける方法をとったので,静電荷の値などは明確ではない。そこで改良型反応器として,1×5mmの二枚の白金電極を向かい合わせ,両電極間に電位を印加するタイプを製作した。平均流速25cm/s,当量比1.0,電位差50Vを加えた。また電位の極性を反転させながら実験を行ったところ,860℃程度の触媒温度が印加電位の極性が反転する毎に10℃程度づつ上昇する傾向が見られた。しかし数度の反転後は急速に触媒の反応促進状態が劣化し,温度が低下した。 文献調査によると,固体表面の触媒原子の配列などは容易に変化し,抑制因子となる分子の付着などと相まって触媒特性を変化させることが知られている。この点を克服する必要があり,二年度目に課題を残した。
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