2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの伝熱に関する分子動力学法シミュレーション
Project/Area Number |
17656072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 茂夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90209700)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 分子動力学 / 熱伝導 / 界面熱抵抗 / 伝熱 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブの熱伝導に対する電子の寄与はほとんどないと考えられることから,Tersoff-Brenner型の炭素原子間ポテンシャルをフラーレンの生成機構などの計算と同様に簡略化したポテンシャルを用いた古典分子動力学法シミュレーションで常温における熱伝導は十分に記述できると考えられ,このモデルを用いた熱伝導のシミュレーションを様々な条件で実行した.SWNTの両端は周期境界条件とせずに,ファントム分子を用いた温度制御や速度スケーリングを用いた温度制御とし,有限長のSWNTの熱伝導シミュレーションを行った.特に,チューブ長さの影響についての大規模な分子動力学法計算を行い,ナノチューブの長さに依存して見かけの熱伝導率が変化することを再確認した.また,マイクロスケールでの固体内熱伝導に関するフォノン解析と有機的に結合するために,分子動力学法による解析結果から,フォノンの分散関係,状態密度や群速度などを求めた.さらに,振動モードの時空間解析を行うことによって,熱伝導に寄与の大きなフォノンについて検討するとともにフーリエ則に従わない熱伝導の様相を明らかとした.一方,カーボンナノチューブと周囲物体,カーボンナノチューブ同士などの界面熱抵抗を求めるために,共有結合をしていない炭素原子間にLennard-Jonesポテンシャルを仮定した様々な分子動力学法シミュレーションを行い,様々な周囲物体との界面熱抵抗を測定した.界面熱抵抗決定の物理的な機構についても来年度明らかとすることをめざす.
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Research Products
(7 results)