2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656077
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
前川 透 東洋大学, 工学部, 教授 (40165634)
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Keywords | 臨界流体 / 二酸化炭素 / エタン / ベンゼン / クセノン / 紫外レーザー / フーラレン / クラスター |
Research Abstract |
今年度、二酸化炭素、エタン、ベンゼン、クセノンの臨界状態を実現し、下記の解析を行った。 1.臨界流体と紫外レーザーの相互作用による粒子生成 臨界点極近傍二酸化炭素に紫外レーザー(波長:266nm)を照射する実験を行った。臨界点極近傍では大きな分子クラスターが形成され、フォトンが分子と衝突する確率が増大すると考えられる。臨界点温度から0.34Kまで離れた超臨界状態において、紫外レーザーによって二酸化炭素が分解され、マイクロ粒子が生成されることがわかった。またEDS解析より、粒子は炭素原子と酸素原子から構成されていることがわかった。TEM像と電子線回折像から、粒子は特定の構造を持たずアモルファス状態であることがわかった。 臨界点極近傍ベンゼンにおいても、紫外レーザーを照射することにより粒子が生成された。また、二酸化炭素とベンゼンの二元系流体においても粒子が生成された。つまり、一般に、臨界たんぱく光が観測される臨界点極近傍流体と紫外レーザーとの相互作用により、流体分子が分解され、ナノ・マイクロ粒子が生成されると考えられる。 2.臨界流体とC_<60>結晶の相互作用によるクラスター生成 臨界点極近傍二酸化炭素・エタン・クセノン中にC_<60>結晶を放置することにより、結晶間に渡るワイアーやらせん構造が形成されることがわかった。臨界点極近傍では、流体分子がC_<60>間に挿入され(C_<60>-CO_2-C_<60>、C_<60>-C_2H_6-C_<60>、C_<60>-Xe-C_<60>)、流体分子を介してC_<60>がつながるものと考えられる。今後、これらの構造をポリマー化し、ナノエレクトロニクス等に応用する。
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Research Products
(1 results)