2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656077
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
前川 透 東洋大学, 工学部, 教授 (40165634)
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Keywords | 臨界流体 / 二酸化炭素 / エタン / ベンゼン / クセノン / 二元系臨界流体 / フーラレン / 紫外レーザー |
Research Abstract |
今年度、一元系・二元系流体の臨界状態を実現し、下記の成果を得た。 1.臨界流体と紫外レーザーの相互作用による流体分子の分解と粒子生成 臨界点極近傍二酸化炭素(臨界温度:31.0℃,臨界圧力:7.38MPa)に紫外レーザー(波長:213,266nm)を照射する実験を行い、二酸化炭素が分解され、炭素粒子が生成されることを発見した。また、レーザー照射中に直流電場を施すことにより炭素薄膜が形成された。室温で二酸化炭素が分解されることは画期的である。 臨界点極近傍ベンゼン(臨界温度:289.0℃,臨界圧力:4.90MPa)に紫外レーザー(波長:266nm)を照射することにより、ベンゼンが分解され、径が数ナノメーターのグラファイト状粒子が生成されることを発見した。 臨界点近傍二酸化炭素とベンゼンの二元系流体に紫外レーザー(波長:266nm)を照射することにより、アモルファス炭素薄膜が生成されることを発見した。室温でアモルファス炭素膜が生成できることは画期的である。 今年度の実験より、一般に、臨界流体の分子と紫外レーザーの相互作用により、流体分子が分解されナノ・マイクロ構造物が生成されると予想される。 2.臨界流体とC_<60>結晶の相互作用によるクラスター生成 臨界点極近傍二酸化炭素・エタン(臨界温度:32.3℃,臨界圧力:4.88MPa)・クセノン(臨界温度:16.9℃,臨界圧力:5.84MPa)中にC_<60>結晶を放置することにより、C_<60>-ファイバー、C_<60>-ネットワーク、C_<60>-シート、C_<60>-ヘリックス、C_<60>-フラクタル構造が生成されることを発見した。室温でC_<60>-クラスターが形成されることは画期的である。また、紫外線照射による上記構造のポリマー化を試みた。少なくともC_<58>-C_<58>ダイマーが生成された。今後、大規模クラスターのポリマー化を行い、ナノエレクトロニクス、ナノテクノロジーに役立てる。
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