2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・マイクロ構造物を内包した機能性リポソームの調製
Project/Area Number |
17656084
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 保正 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助手 (40134473)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 潔 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教授 (10282675)
|
Keywords | リポソーム / 自己組織化 / DDS / MEMS / 機能性ナノ膜 / マイクロ構造物 / 生体由来物質 / 脂質 |
Research Abstract |
本研究の目的は,外場を用いてマイクロ粒子を操作し,リボソームの機能発現を制御する事にある.このために,前年度までの基礎実験の結果を基に実験装置の設計製作を行い,実際にPHなどを制御する実験系の構築を行った.これによって,試験溶液として生体由来物質(脂質等),ナノ粒子,イオン溶液などを含むものを用い,濃縮・濃度調整を行うことが可能になった. また,構築した顕微鏡システムを用いて,リボソームの破膜がUV照射により可能なことを実験的に確かめ,マイクロチャンバー内で破膜の実験を行った.この結果,実際に内包したインクの漏洩を確認し,破膜制御が可能であることを明らかにした. さらに,ジャイアントリポソームの調製技術を確立し,小胞リポソーム,ナノ粒子,蛍光粒子,インクなどを内包させ置換によって外部溶液と異なるように制御する方法も確立した. これらの成果を基にして,複数のリポソームに異なる溶液を内包させ,これをマイクロチャネル内のチャンバーにおいて会合させ破膜・混合させる実験を行っており成果の一部を本年10月のμTASの国際会議(in Paris, FRANCE on 7-11 October 2007.)において公表する予定である.(投稿中) 以上の本年度の研究によって機能性リボソームの調整に対する研究の基礎的な部分はほぼ予定通り終了した.今後の課題としては,時間的制約によって十分に進展しなかった,マイクロ構造物の内包と表面にナノ粒子を吸着させる実験が残っているが,試験設備を利用してさらに発展させる予定である.
|