2005 Fiscal Year Annual Research Report
相変態を利用した液体供給による液架橋マイクロマニピュレーション手法
Project/Area Number |
17656087
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 滋規 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (30313349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 邦夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70226827)
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Keywords | 機械力学・制御 / マイクロマシン / ミクロ・ナノデバス / マイクロアセンブリ / 微小物体物理学 / 相変態(相変化) / 液体凝集 / マイクロ液滴 |
Research Abstract |
マイクロメートル以下の微小物体マニピュレーション手法の多くは固体間凝着現象の影響を受け,表面粗さのバラツキなど不確定要素が多く,再現性の高いものではなかった.研究代表者および分担者らは,その不確定要素を除く方法として,液架橋力を利用した手法を提案し,理論的な検討を行ってきた.しかし,微小量の液体(液滴)をプローブ先端などに供給することは容易ではなく,多数の微小物体操作に耐えうる機構を実現するのは困難とされてきた.そこで,本研究では,液体供給の方法として水の相変態を用いた液架橋マイクロマニピュレーション手法を提案し,その可能性,適用範囲などを明らかにすることを目的とする. 本年度は,相変態を利用した液体供給による液架橋マイクロマニピュレーションシステムを構築し,提案手法の実現性を検証した.具体的には,システムはマイクロステージと光学式実体ビデオ顕微鏡とから構成され,プローブ側・基板側の双方にペルチェ素子を取付け冷却・加熱が出来るようにし,体積の小さなプローブ側には冷却効率を上げるためたヒートシンクを付加した.このシステムを用いて直径数10マイクロメートルの対象物を提案手法によってマニピュレーション可能かどうかを検証する実験を行った.結果,ペルチェ素子を用いた冷却・加熱により,曲率半径約20マイクロメートル程度のステンレス製プローブの先端において液体(微小液滴)の凝集・蒸発を制御することが可能であることを検証し,その液架橋力を制御することによって半径15マイクロメートル程度の微小半田球を自在にピック・アンド・プレースすることが可能であることを示した.
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Research Products
(3 results)