2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656098
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
妹尾 和威 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助手 (70370137)
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Keywords | 超伝導 / 安定性 / 氷 / 超伝導ケーブル |
Research Abstract |
高熱伝導率・高熱容量材料である氷を,超伝導ケーブル導体のゲーブル部モールド材料に適用して,1)超伝導の安定性向上と2)機械的補強による超伝導材料の破壊防止を図り,実験的に評価した.具体的に,NbTi素線およびNb_3Sn素線を用いて,3×3×3多重撚りケーブル導体を作製し,誘導通電法により磁場5〜15Tの範囲で最大10kAの電流を通電して上記課題1),2)を測定した. NbTiケーブルに関しては,氷で素線の隙間をモールドすることで,熱の拡散が促進される.それにより,磁場5T以上において,超伝導導体の臨界電流までクエンチを生じることなく通電可能になった.もちろん,液体ヘリウム浸漬冷却することが最も熱拡散を促進可能な手段である.しかし,耐電圧の問題で浸漬冷却は前述の大電流導体には不向きとされている.固体モールドでも熱拡散が図れることを実証した本実験の意義は大きい.氷以外のモールド材料で,同様の実験結果を得ることは不可能であろう. Nb_3Snケーブルについては,氷モールドによる機械的補強の効果を評価した.単純に,液体ヘリウムに浸漬冷却したものでは,平均応力30MPa印加時に臨界電流特性が50%以下に減少した.一方,氷モールドして同様の実験を行ったところ,特性劣化は全く生じなかった.ここで,30MPaは実際の大型導体の導体断面内における最大応力に相当する.尚,Nb_3Snは前述のNbTiと比較して臨界温度が高く,安定な材料であることから,当然,氷モールドに起因する不安定性は発生しなかった. 基礎熱物性研究については,実験装置の設計と製作にとどまっている.今年度は熱伝導率の評価を実施したい.
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Research Products
(3 results)