2006 Fiscal Year Annual Research Report
半導体・強磁性体複合型ナノワイヤを用いた縦型ナノスピントランジスタの研究
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17656100
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 真二郎 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (50374616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本久 順一 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (60212263)
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Keywords | 有機金属気相成長 / 強磁性体 / III-V族化合物半導体 / ナノ構造 / スピンエレクトロニクス / インジウム燐 / ガリウムインジウム砒素 / マンガン砒素 |
Research Abstract |
化合物半導体への強磁性MnAsナノ構造のエピタキシャル成長技術確立を目的とし、本年度は主にプレーナGalnAs{111}面上の有機金属気相成長に関して、結晶面方位依存性や、供給ガス比率(V/Mn比)・成長時間等の成長条件依存性を評価し、ナノクラスタ形成制御の観点から詳細なデータ取得を行った。これまで断面格子像観察・電子線回折による構造評価及び、磁気異方性評価から.、(111)B面上のMnAs成長では、六方晶のNiAs型MnAsナノクラスタが立方晶の閃亜鉛鉱型GaInAs表面に形成され、MnAsのc軸がGalnAsの[111]B方向と平行であるとの知見を得た。今回矩形ナノクラスタが形成される(001)面上及び、よりサイズの小さい六角形ナノクラスタが高密度に形成される(111)A面上で詳細な構造評価を行った結果、いずれの結晶面方位においてもNiAs型ナノクラスタが形成するものの、(111)B面上とは異なりナノクラスタの結晶軸が下地GaInAsの[111]方向から僅かに傾く、あるいはばらつきを持つ傾向にあった。これはV族(As)原子に覆われた(111)B表面と異なり、特に完全なIII族面である(111)A面では、 GaInAs層に埋め込まれたMnAsナノクラスタが形成されやすいことに起因すると考えられる。ただ(111)A面上においてもV/Mn比を60から1125と大幅に増加させることにより、微小ナノクラスタがより高密度に形成され、周囲の結晶表面の平坦性も向上する。今回の結果は、MnAsの結晶成長では従来のIII-V族化合物半導体に比べ著しく高いV族分圧が必要であることを示唆しており、半導体・強磁性体複合構造形成のための有用な知見となった。またより格子不整合度の小さいGaAs(111)B面上のMnAs成長では、10μm^2以上の広範囲に渡って平坦に薄膜状成長する傾向にあった。
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Research Products
(6 results)