2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 雅明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30192636)
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Keywords | 強磁性トンネル接合 / スピン / 共鳴トンネル効果 / トンネル磁気抵抗効果 / GaMnAs / InGaMnAs / スピン依存トンネル現象 / 量子井戸 |
Research Abstract |
半導体をベースとした2重障壁をもつ強磁性トンネル接合(MTJ)を、分子線エピタキシー法によって半導体基板上に作製し、共鳴トンネル効果とトンネル磁気抵抗(TMR)効果を同時に発現させ、そのスピン依存トンネル伝導特性を制御しデバイスに応用する。特に、共鳴トンネル効果を用いたTMRの増大とバイアス依存性の改善を狙うとともに、スピン依存共鳴トンネル現象の機構を解明することを目的とした研究を行っている。 今年度は、半導体をベースとした2重障壁強磁性トンネル接合の作製と材料科学的研究、トンネル磁気抵抗効果(TMR)の測定を行った。まず研究対象とする物質とデバイス構造は、(1)GaAs(001)基板上に成長するGaMnAs/AlAs/GaAs/AlAs/GaMnAs、およびGaMnAs/AlAs/GaMnAs/AlAs/GaAs強磁性二重障壁共鳴トンネル・ダイオード構造である。分子線エピタキシー(MBE)による上記ヘテロ構造の成長に成功し、磁化測定、TMR比および電流-電圧特性の基本特性測定を行った。トンネル抵抗およびTMR比のGaAsおよびGaMnAs量子井戸膜厚依存性を調べ、共鳴トンネル効果と思われる微分負性抵抗とTMRのバイアス依存性において振動現象を観測した。振動の周期はGaMnAs量子井戸膜厚を厚くすると短くなり、系統的な変化を示した。このことにより、強磁性半導体を量子井戸とする共鳴トンネル効果とTMR効果を初めて同時に観測できた。
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Research Products
(6 results)