2007 Fiscal Year Annual Research Report
フレキシブルな量子形状構造を持つ有機単電子トンネル素子特性
Project/Area Number |
17656106
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩本 光正 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (40143664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間中 孝彰 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20323800)
伊東 栄次 信州大学, 工学部, 准教授 (50303441)
久保田 徹 情報通信研究機構, 関西先端研究センター, 主任研究員 (00205139)
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Keywords | 電子・電気材料 / 柔構造有機分子膜 / 光第2次高調波発生 / 少数電子素子 / キラリティー / 単分子膜ドメイン / 誘電体物性 |
Research Abstract |
本研究では、有機材料のフレキシブルな性質を2つの観点から研究し、有機単電子トンネル素子特性を通してその検証を試みるものである。基本的には、分子自身と分子集合体のフレキシブル性に起因して形成される有機分子膜形状パターンに関して弾性体理論を用いて自由エネルギー論の立場から解析した上で、決定された形状パターンを含む素子を実際に作製し、フレキシブルな構造体と量子効果に基づく電気特性の関係を明確にする。本年度は、分子集合体としての分子膜パターンを含む素子の作製を目指す上で考慮する必要のある、水面上単分子膜における実際の膜パターンについて、キラル棒状分子(DPPC)からなる単分子膜が、分子のキラリティーに依存したドメイン形状を形成することを実験的に確かめ、ドメインから発生する電気四重極子密度がそのドメイン形状のキラル依存性に重要な役割を果たすことを理論的に示 した。また、分子自身の柔軟性に由来すると考えられるジアセチレン薄膜における重合時の光誘起キラルについて、そのキラル誘起の最適化を図るために作製時の基板温度依存性などを検討し、高温時により強いキラリティを得られることを明らかにした。また、このポリジアセチレンにおいては、昨年度検討したFETの電気特性に関連して、電界誘起SHG法による素子中のトラップについてトラップ深さなどを検討した。
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