2005 Fiscal Year Annual Research Report
協同トンネル現象を利用した量子計算アーキテクチャと構成デバイスの開拓
Project/Area Number |
17656111
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80250489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 哲也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (00312380)
廣瀬 哲也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (70396315)
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Keywords | 量子計算 / 協同トンネル / アナログ計算法 |
Research Abstract |
ホップフィールドネットワークとは、多数のしきい要素からなる特種な帰還形ネットワークの動作を利用して組合せ問題を解く計算手法である。この帰還形ネットワークはそのエネルギー関数を減少させるように状態遷移する。これを利用して、エネルギー関数の最小状態をみることで問題の解を求める。しかし、一般には多くのローカルミニマムが存在するため、正解が常に得られるという保証はない。ローカルミニマムが生じる理由は、従来のホップフィールドネットワークでは個々のしきい要素が互いに相関なく状態変化するからである。もし複数のしきい要素が相関して同時に状態を変える状況を実現できれば、ローカルミニマムのないネットワークができる。そのためには、量子効果を導入して複数しきい要素を相関遷移させる必要がある。 そこで、単電子回路を用いてホップフィールドネットワークに量子効果を導入することを提案した。単電子回路においては、2つかそれ以上の複数接合でトンネル事象が同時に(コヒーレントな結合として一体的に)起こる現象がある。これを「協同トンネル現象」という。単電子トンネル接合をしきい要素として使用し、そのネットワークにおける協同トンネル現象を利用することで、複数のしきい要素が同時に状態変化するようなネットワークを提案した。
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