2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656117
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 真澄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00203258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 朗 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20183931)
赤池 宏之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20273287)
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Keywords | 単一磁束量子 / 光信号 / 超伝導 / ファラデー回転 / ガーネット / 光ファイバ / レーザ / インターフェイス |
Research Abstract |
本年度は観測システムおよびデバイス作製技術の検討を中心に,以下のように研究を実施した。 (1)磁束量子観測システムの検討 本研究では,磁場印加で生じるファラデー回転による光の偏向面の回転を利用して,単一磁束量子(SFQ)回路の超伝導ループ中のSFQ信号(磁束量子)の有無をその超伝導ループに照射した光の偏向の変化により検出するデバイスを考えているが,まずその準備段階として,測定システムの構成の検討を行った。光学系については通信帯域の波長のレーザを用いて,試料での反射光の偏光面の回転を検出するように,光ファイバで試料への光の導入と試料からの信号光の取り出しを行う方法を採ることとして,具体的構成の検討を行った。基礎実験として,ファイバカプラの部分について実験を行い,問題点を抽出した。試料取り付け部付近の構造については,試作を行い,冷却や電気的接触などについて問題点を抽出した。 (2)デバイス作製技術の検討 磁束量子の検出部では,ファラデー回転角を大きくするため,微小な超伝導ループに磁束量子を閉じ込める必要がある。このため,電子ビーム描画装置による微小構造の作製法について検討し,目標寸法・形状に対する描画条件の関係を求めた。また,超伝導ループでの磁束量子のふるまいを制御するため,SFQ回路を設計する場合に必要なパラメータとして,超伝導体薄膜のインダクタンスをY系高温超伝導体YBa_2Cu_3O_<7-x>(YBCO)を用いて見積もった。回路の基本動作の確認として,YBCOを用いてSFQ伝送線路の先にSFQを保持するためのループを持つ回路を作製した。このループに隣接する超伝導量子干渉素子(SQUID)を用いてループ中のSFQの存在とリセット信号によるこのSFQの消滅を電気的に確認するとともに,問題点を抽出した。
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