2005 Fiscal Year Annual Research Report
光波形補正機能を内臓するレーザダイオード駆動バイポーラアナログ集積回路設計の研究
Project/Area Number |
17656118
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小中 信典 徳島大学, 工学部, 教授 (20380107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 弘明 徳島大学, 工学部, 助手 (00380113)
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Keywords | 波形補正 / バイポーラ / 直接変調 / レーザダイオード / 可変容量 / 光通信 / 光電気変換 / レーザ駆動回路 |
Research Abstract |
10ギガビット光通信はインフラ用から短距離アクセス用へと用途が拡がり、低コスト化のため部品数が少ないが技術課題が残っている直接変調による光送信技術の開発が必要になっている。直接変調方式は電気光信号変換をレーザダイオード(以下、LDと略す)への駆動電流で行うため、電気回路とLDチップをつなぐワイヤーのインダクタンスによって電流波形にリンギングが生じ、ビットエラーなど通信特性が劣化するという問題があった。 その課題克服のため、本研究で検討を行うLD電流駆動回路は、電流波形劣化を改善する波形補正回路を内蔵する。その回路では、LDの電気特性やインダクタや電気回路の抵抗等のばらつきで波形補正が十分にできない場合、そのばらつきに適合させて回路の容量値を外部から制御し、波形補正を行うことができる。そして、そのばらつきに起因して従来不良品であったものの性能を改善し、歩留まりの向上、コストの低減を図ることが出来る。 本年度の研究では、まず、設計法と回路試作での検証を可能にするため、VDECのバイポーラを前提に回路設計を再度行い、波形補正回路であるRCシャント回路の抵抗Rを20→30Ωに見直した。容量Cを外部制御可変とするため、バイポーラのBC接合を使用することとし、その設計課題を検討した。BC接合で実現できる容量値はpF程度で、外部バイアスで可変と出来る幅は2倍程度なので、その条件で最も効果的に波形制御できる最適値を設計した。その結果、ワイヤーのインダクタが1nHのとき、R10Ω、BC接合容量10pF、バイアス5.6Vで、リンギングを抑制し、規定の電流振幅を実現した波形に制御することが出来た。また、今回提案の可変BC接合容量の場合と従来の固定容量の場合との関係も明確にでき、同一容量値で設計すればよく、高速性能の指標である立上り時間、立下り時間も低下しないことを確認した。
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