2005 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体ゲート型カーボンナノチューブFETによる新規不揮発性メモリの開発
Project/Area Number |
17656119
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中山 喜萬 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20128771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 紀文 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50199361)
秋田 成司 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (60202529)
吉村 武 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (30405344)
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Keywords | カーボンナノチューブFET / 強誘電体薄膜 / 強誘電体ゲート型FET / 不揮発性メモリ / アルコールCVD / 化学溶液製膜法 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブFETは現行のSiデバイスに替わる次世代の演算素子として注目されている.本研究ではカーボンナノチューブFETのゲート絶縁膜に強誘電体を用いた新規なデバイスを提案した.この強誘電体ゲート型カーボンナノチューブFETでは,カーボンナノチューブの優れた電気的特性と,強誘電体の分極履歴特性を融合させることで,高速動作と不揮発性記憶という機能を併せ持つメモリ素子の実現が期待できる. 化学溶液法によりPt電極上に作製したPb(Zr_<0.5>Ti_<0.5>)O_3薄膜上に,アルコールを原料にしたCVD法により作製したシングルウォールのカーボンナノチューブを分散させ,フォトリソグラフ法を用いてソース,ドレイン電極を形成し,FETを作製した.電気的評価を行った結果,ゲート電圧の印加によってドレイン電流が変調されるドレイン電流-ドレイン電圧特性が得られ,作製したデバイスがトランジスタとして動作していることが確認できた.また,ドレイン電流-ドレイン電圧特性では,ゲート電圧の挿引方向によって閾値電圧が変化したことを示すメモリウインドウが得られた.その閾値の変化の方向から,このメモリウインドウが,一般的に見られる電荷注入に起因するものではなく,分極の残留に起因するものであることがわかった.さらにそのメモリウインドウが,ゲート電圧の挿引幅を増加させた時に飽和することなど,強誘電体薄膜の自発分極によって,カーボンナノチューブ内の電気伝導が制御されていることを示す複数の結果が得られた. 以上より,作製した強誘電体ゲート型カーボンナノチューブFETが不揮発性メモリとして動作していることを確認し,新規なデバイスとして有望であることを示すことができた.
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