2005 Fiscal Year Annual Research Report
準遠方界領域における平面型標準アンテナによるSARプローブ校正
Project/Area Number |
17656123
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石井 望 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (50232236)
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Keywords | SAR / プローブ校正 / 標準アンテナ / フレネル領域 / 頭部等価ファントム液剤 / マイクロストリップアンテナ / 絶対利得 / 不確かさ |
Research Abstract |
今後3GHz以上での携帯端末が普及する見込みから、標準的なSAR測定法に利用されるプローブの校正について検討を行う必要がある。ここで、SARとはSpecific Absorption Rateの略で、比吸収率と呼ばれ、単位体積あたりのエネルギー吸収量を表しており、電磁波の人体吸収の測定尺度として利用されている。標準的なプローブ校正法では、頭部等価ファントム液剤が満たされた底付き導波管にプローブを挿入することによって、プローブ出力電圧と挿入位置における電界強度を対応づける。しかしながら、周波数が高くなると、プローブ径が導波管断面の寸法に対して無視できないため、標準的なプローブ校正法の精度に問題が生じる。本研究では、標準的な校正法に代わる別の校正法について検討を行う。本年度は、遠方電磁界が式で表現されているマイクロストリップアンテナ(MSA)を平面型標準アンテナとした場合についての検討を行った。研究協力者から2.45GHzにおける頭部ファントム液剤の提供を受け、この液剤中において動作するMSAの寸法パラメータを実験的に決定した。絶対利得の測定は、液剤を満たした水槽中で二つのMSAの距離を変化させることにより実施した。液剤がやや粘性を有するため、アンテナ強度を補強する必要があったが、ダイポールアンテナと同様の距離減衰特性を実験的に得ることができた。しかしながら、ダイポールアンテナの場合と同様に、液剤中での減衰が激しいため、信号検知が可能な距離範囲で遠方界利得を得ることができなかった。この問題を解決するため、フレネル領域におけるフリスの伝達公式に基づく遠方界利得の決定について検討した。また、測定基本式に基づくSARプローブ校正における不確かさ評価についても検討を行った。式に現れない不確かさの要因(フレネル領域での測定であることによる不確かさなど)について今後検討する必要がある。
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Research Products
(5 results)