2006 Fiscal Year Annual Research Report
準遠方界領域における平面型標準アンテナによるSARプローブ校正
Project/Area Number |
17656123
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石井 望 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (50232236)
|
Keywords | 比吸収率 / 組織等価液剤 / 電界プローブ / 絶対利得 / フリスの伝達公式 / 近傍界 |
Research Abstract |
携帯端末等の比吸収率(SAR)を測定するための国際標準的な方法では、組織等価液剤中における電界強度を電界プローブによって測定することによって、SARを最終的に推定する。このため、電界プローブの受信電界強度と出力電圧の問の関係を校正しておく必要がある。300MHzから3GHzまでの周波数では、導波管システムを用いた校正方法によって電界プローブは校正される。しかしながら、3GHz以上の周波数では、プローブの半径と導波管のサイズの関係から校正の不確かさが劣化する恐れがある。このため、導波管システムを利用しないプローブ校正法について検討を行っている。具体的には、損失媒質中における電磁波減衰を含めたブリスの伝達公式に基づく2アンテナ法によりアンテナ利得を校正し、その標準アンテナから放射される電界強度とプローブ出力電圧を対応づける手法を検討している。しかしながら、周波数が高くなるにつれて液剤中における電磁波減衰は大きくなる。このため、フリスの伝達公式が想定している遠方界における測定が困難となる。その解決法として、本研究課題開始当初は、測定が解析的に明らかとなっているアンテナの遠方界を利用し、その近傍界における振る舞いを検討しようとした。このことは、昨年度末から本年度当初における本研究課題において、フリスの伝達公式を近傍界(Fresnel領域)に拡張し、遠方界測定という拘束条件を外すことで本質的に解決できることを明らかにし、関連の研究成果を国際会議や研究会にて発表し、現在、投稿論文として査読を受けているところである。また、ネットワークアナライザの送信ポートの出力電力レベルならびに受信ポートにおける内蔵減衰器の減衰レベルを調整することにより、デフォルト設定に比べて+28dBのダイナミックレンジの拡大を行い、その下でアンテナ問電力伝達実験を行い、提案の校正法の妥当性を確認した。
|
Research Products
(6 results)