2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656127
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
斎藤 洋一 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80304179)
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Keywords | スペクトル空間 / キャリア同期 / タイミング同期 / プリアンブル / 同期引き込み特性 / トラッキング特性 / 周波数 / 位相オフセット |
Research Abstract |
スペクトル空間(周波数領域)における復調理論および具体的な復調方法を確立するため,2年目の今年度は主にキャリア同期,タイミング同期の実現法を検討し,特にキャリア同期は従来の時間領域で実現した特性に劣らない優れた特性を得ることができた. (1)初年度に考案し,特許出願したキャリア同期方式の各種特性を明らかにした.タイミング同期用に伝送されるプリアンブル信号をスペクトル空間で観測し,電力スペクトル成分を基にした評価関数から周波数及び位相オフセットを推定する.また,データ区間では識別結果を基に位相誤差をトラッキングすることでキャリア同期方式を実現している.キャリア同期方式の動作特性として,周波数引き込み範囲や引き込み時間などの同期引き込み特性,同期確立後の位相トラッキング特性,およびBER特性をコンピュータシミュレーションにより評価した.この結果,実用的でかつ高性能のキャリア同期方式をスペクトル空間で実現できる見通しを得,成果を電子情報通信学会のRCS研究会で報告した. (2)キャリア同期方式と同様の方法でタイミング同期が可能であるか検討を行った.予想していたことではあったが,プリアンブル信号が少ない場合タイミング周波数誤差の推定精度が低く,所要性能を満足できない.フーリエスペクトルの性能限界なのか,適当な窓関数の適用により解決できるのか,まだ原因の切り分けがついていない状況である.ウェーブレット解析のような別のアプローチを含めて,新たなアルゴリズムの検討を最終年度の課題として先送りすることとした. (3)最終年度に予定している「フェージングチャネルにおける復調特性の解明」について検討を開始した.周波数選択性により受信信号の周波数スペクトルが歪んだ場合でも,伝送路特性を正確に推定できればスペクトル空間での復調が可能であることを示した.また,周波数ダイバーシチ効果を積極的に利用するため,周波数領域の適応等化器と組み合わせた復調方式を提案し,電子情報通信学会の総合大会で発表した.
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Research Products
(2 results)