2005 Fiscal Year Annual Research Report
ジョセフソン接合を用いない新方式SQUID磁気センサの提案と原理検証
Project/Area Number |
17656133
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木須 隆暢 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助教授 (00221911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昌睦 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助手 (80346824)
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Keywords | 超伝導 / SQUID / ジョセフソン接合 / レーザ変調 / 磁気センサ / 電流計測 |
Research Abstract |
本研究では、高感度磁気センサとしての応用を目指した、新方式超伝導量子干渉素子(Superconducting Quantum Interference Device, SQUID)を提案することを目的としている。ジョセフソン素子を用いない構成によって、外部雑音に対するロバスト性を向上させ、磁気シールドを用いない環境での使用や、従来型の素子では不可能な、より高磁界下での使用が可能となる画期的な新方式を提案しようとするものである。 本研究で提案する素子は、超伝導リング中の周回電流の変化を、レーザによる周期的な熱変調を用いて読み出すものであり、従来の動作原理とは全く異なっている。今年度は、まず周回電流を計測するためのシステム構築を行った。電流は、非接触且つ高感度に計測するため、走査SQUID磁気顕微鏡(既存設備)による自己磁界計測を基に、評価することとした。本手法により電流を定量的に評価できることを、高温超伝導薄膜を用いた原理検証実験により確認した。 次に、熱変調用のレーザ照射システムの導入を行った。本研究では、対物レンズにより集光させた半導体レーザをクライオスタットに設けた光学窓から入射し、試料に照射する構成とした。所望のレーザ照射特性を得るために、防振機構の導入ならびに光学系の最適化を行った。 以上により、本研究で提案する素子の動作検証のための計測系の準備が完了した。すなわち、レーザ変調を用いて読み出される電圧応答と、そのときのリング内周回電流を独立に観測することが可能であり、動作原理の検証のための準備が整った。今後は、本測定システムを用いて、本研究で提案する素子の基本動作原理の検証を進める予定である。
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