2005 Fiscal Year Annual Research Report
眼震運動により摂動を補償する速度分布計測システムの研究
Project/Area Number |
17656135
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山口 晃生 熊本大学, 工学部, 講師 (50230363)
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Keywords | 計測工学 / スマートセンサ / 画像応用計測 / 先端機能デバイス / 生物物理 / 眼球運動 |
Research Abstract |
本研究は人間などの生物の眼球運動のうち眼震性の運動が速度計測の適用範囲を広げるために積極的に利用できることを実験的に示すことを目的とする。本年度は眼震性の運動を実現できる撮像装置の製作と、時空間微分法に基づくオプティカルフロー計算アルゴリズムの実装を目標に研究を行った。 まず眼震性の眼球運動に相当する運動をCCDカメラの撮像系で実現するための機構を設計製作した。この機構は対象像をCCDカメラの撮像面上で円振動させるためのプリズム対と対物レンズから構成される光学系とステップモータを用いた回転機構の組み合わせで実現される。これにより像面上に撮像レンズが結ぶ像に眼震性の眼球運動を模すような微小な円振動を生じさせることができた。使用したプログレシブスキャンCCDカメラでは最大で秒間に30フレーム以上を取得でき、像が1周期に振動する間に数十枚程度の画像を取得することが可能であった。対象物として静止背景および静止物体を用いた実験では画像上で眼震運動による規則的な像流れが観測できた。これより試作装置によって向きが高速に切り替わる速度バイアス成分を重畳させられ、生物の眼震運動を模すことができることが示せた。さらに、今回のシステムに合わせて時空間微分法により速度を計算するプログラムを作成し、得られた画像から速度ベクトルが計算できることを確かめた。今後は画素毎に最も変位量が小さいものを動的に選択する処理と組み合わせて画像中の速度分布を再構成し、本研究で提案する概念の有効性を検証していく。本年度の結果を踏まえ、次年度は移動対象物および速度分布を有する対象物の速度測定の実験をおこなう予定である。
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