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2006 Fiscal Year Annual Research Report

量子制御ダイナミクスのシステム制御理論構築

Research Project

Project/Area Number 17656137
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

原 辰次  東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (80134972)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 津村 幸治  東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教授 (80241941)
Keywords量子力学系 / スピン系 / 連続測定 / 量子制御 / 量子フィルタリング
Research Abstract

本研究では量子情報機器案現の基礎とすべく,速続測定が可能な量子力学系を念頭に,量子ダイナミクスのための制御理論の構築とその実用を目指している.連続測定下における量子ダイナミクスとして,非線形確率微分方程式となるマスター方程式(SME)が得られている.本研究では主としてこのSMEを制御対象とし,制御論的観点からみた解析や制御系設計について研究を進める.なお本研究は,カリフォルニア工科大学の山本直樹との共同研究である.
本年度は次の3点についての結果を得た
量子フィルタリングの安定性
近年,出力信号を用いて量子状態を連続時間的に推定するという,量子フィルタリングの理論が盛んに研究されている.しかし最適フィルタの安定性については,これまで十分な議論がなされておらず,その実用化にはこれを確かめる必要がある.本研究では最適量子フィルタの,ある条件化での安定性を理論的に示すことができた.
量子スピン系の安定化
量子コンピュータなどの実現には,情報表現の媒体として量子スピン系を利用することが考えられている.このスピン系を,外界からのノイズの影響に対してロバストに操作するためには,そのフィードバック制御が不可欠となる.ここでは出力信号から量子状態を推定する量子フィルタリングの理論を用い,スピン系のフィードバック制御を考える.従来,スイッチングにより,所望の基底状態へと確率収束させる手法が提案されてきたが,実用化にはスイッチングを用いない連続制御入力による安定化の手法が望まれるところである.ここでは,一般次元でそのような制御器が存在することを理論的に示すことに成功した.
エントロビーに基づく量子ダイナミクスの解析
連続測定下にある量子力学系のダイナミクスは,複雑な確率微分方程式により記述されるが,微分方程式中の各項の物理的意味について,これまで明らかにはされてこなかった.ここでは情報量と密接な関係をもつエントロピーに着目し,その増減に寄与する項を分類することにより,量子ダイナミクスの物理的構造について,特に観測量との関係を踏まえて明らかにした.

  • Research Products

    (6 results)

All 2007 2006

All Journal Article (6 results)

  • [Journal Article] Feedback control of quantum entanglement in a two-spin system2007

    • Author(s)
      N.Yamamoto, K.Tsumura, S.Hara
    • Journal Title

      Automatica (To appear)

  • [Journal Article] 量子論的エントロピーを評価指標とした量子ダイナミクスの解析2007

    • Author(s)
      阿部智成, 佐々木智丈, 原辰次
    • Journal Title

      第7回計測自動制御学会制御部門大会資料

      Pages: 83-1-5

  • [Journal Article] 量子制御におけるフィルタの初期値に対するロバスト性2006

    • Author(s)
      岡嶋崇, 津村幸治
    • Journal Title

      第6回計測自動制御学会制御部門大会資料

      Pages: 677-680

  • [Journal Article] 非線形最適フィルタの有限次元独立サブシステム2006

    • Author(s)
      岡嶋崇, 津村幸治, 原辰次
    • Journal Title

      第6回計測自動制御学会制御部門大会資料

      Pages: 935-938

  • [Journal Article] Local reachability analysis for controlled quantum dynamics in complex matrix form2006

    • Author(s)
      T.Sasaki, S.Hara, K.Tsumura
    • Journal Title

      Proc. the 17th International Symposium on Mathematical Theory of Networks and Systems

      Pages: 2001-2008

  • [Journal Article] Stabilization of quantum systems via continuous feedback2006

    • Author(s)
      K.Tsumura
    • Journal Title

      The 33rd SICE Symposium on Control Theory

      Pages: 105-110

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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