Research Abstract |
RFIDタグが送る電磁波の特性と,地盤の電磁波伝播特性を詳細に検討した上で,模擬土層での計測実験の準備を行った.タグの選定と土層の閉め固め度の見極めが重要であり,電磁気学から通信工学にわたって広く文献調査を行った.また,電磁波の伝播には含水率と密度が鍵を握るため,このような研究が行われている土壌の環境計測の分野での文献調査も行った. 既知の実験結果を基礎データとし,タグの位置同定の数値シミュレーションを試みた.これは,タグが撒かれた地盤モデルを作り,想定された電波を入射した場合に地盤外で計測されるタグの誘導電磁波を使って発信源であるタグの位置を同定する逆問題である.この逆問題は数学的に難しく,逆解析の理論構築を試みた.最初に,一つのタグが地盤中に撒かれた場合を想定し,位置同定の具体的方法や位置同定の精度を検討した.次に,複数のタグが撒かれた場合を想定し,同定できるタグの数や,位置同定の精度を検討した. 販のRFIDタグとリーダの性能を調査し,また,市販のものよりも強い電磁誘導特性を持つRFIDタグと強力な電波を発信するリーダの使用も検討した.特に,有力な候補として,地下埋設管の工事に使用されている地盤レーダの使用を検討し,その基本特性を調査しだ.模擬土層と地盤レーダを使った土槽実験に関して,地盤工学研究者とのヒアリングより,1)地盤に通す電波の挙動と到達位置の関係,2)地盤中での電磁波の減衰特性の二点の技術的課題に関して検討を行った.
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