2005 Fiscal Year Annual Research Report
巡回検査車の動的応答を利用した舗装・橋梁関連構造物のための新しい簡便モニタリング
Project/Area Number |
17656146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤野 陽三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20111560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 裕介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00396772)
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Keywords | 診断システム / 移動体モニタリング / 加速度 / GPS |
Research Abstract |
本研究では,車両の動的応答を利用した移動モニタリングシステムを提案する.本システムでは車上目視点検の巡回車に加速度計,騒音計,GPS,ノートPCを車載して道路上を走行させ,道路上のデータを集録する.そのデータから,点検の指標となる値を計算し,サーバに蓄積する.道路管理者がそのサーバにアクセスすると,地図上に点検結果を表示し,適切な道路維持管理を支援することができるというシステムである.このシステム開発で重要となるのは(1)計測・集録システムの開発(2)点検指標となる値の導出,(3)診断システムの開発である. 計測・集録システムでは,日常巡回車と同車種を用い,さらに応答と位置情報とを対応付けるため,加速度とGPSの同期が取れる集録システムを開発した.このシステムを用いて,実際の道路上で応答の再現性(同日同路線のデータに対する加速度RMSで10%程度の誤差)を確認している. 点検指標となる値の導出では維持管理上重要となる点検項目について検討したところ,IRI(International Roughness Index),現行の平坦性,伸縮装置の後打ちコンクリート部における段差,本体破損による異常騒音レベルの導出が可能であるという結果が得られた.IRI導出については,まず,路面形状から計測車両に対する伝達関数と,クォーターカー(QC)モデルの伝達関数により,計測車両からQCモデルの加速度を求める.その後QCモデルの加速度RMSとIRIとの近似式(解析により導出)によりIRIを求めるものとした.この方法により,衝撃応答以外の部分では真のIRIとの最大誤差が12%と実用レベルの精度を得ている.また,伸縮装置部の段差については,伸縮装置中心から前側2mの最大凹凸量と加速度の最大振幅から±2m間の加速度RMSの相関が最も高いという結果を解析・実験により示し,誤差17%程度の近似式を導出した.
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Research Products
(1 results)