2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656151
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大河原 正文 岩手大学, 工学部, 助教授 (80223741)
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Keywords | 残留強度 / メカニズム / 表面粗さ / 水の吸着力 |
Research Abstract |
残留強度の電気化学的測定法の開発にあたり,測定法の基礎となる強度発現機構について研究した。得られた知見は以下のようである。 (1)高純度粘土鉱物の大変位一面せん断試験により,電荷の小さなカオリナイトの残留状態せん断抵抗角はφ'r=14.0°,電荷の大きなスメクタイトの残留状態せん断抵抗角はφ'r=2.3°である。 (2)残留状態せん断面とガラスとの接触面をレーザー等により観察・測定したところ,カオリナイトにおいて接触域,非接触域の存在が確認された。接触域の面積は垂直応力の増加に伴い大きくなる。スメクタイトは,いずれの条件においても非接触であり界面には多量の水が存在していた。 (3)残留状態せん断面の表面粗さ測定から,肉眼では平滑に見えるせん断面もミクロ領域では粗さを有していることが判明した。表面解析から,カオリナイトの算術平均高さRa=153.4nm,表面積増加率RIA=22.6%であり,スメクタイトはRa=47.9nm, RIA=O.69%であった。カオリナイトの表面は粗くスメクタイトは滑らかである。 (4)フォースカーブ測定より,せん断面に吸着している水の吸着力を測定した。カオリナイトの水の吸着力は湿潤状態において8.9×10^<-1>nN(乾燥状態5.6×10^<-1>nN),スメクタイトは4.1×10^<-2>nN(乾燥状態6.6×10^<-1>nN)である。カオリナイトは湿潤状態,乾燥状態において水の吸着力は変化しないが,スメクタイトは湿潤状態で小さくなる。
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Research Products
(2 results)