2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656156
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
泉 典洋 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (10260530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渦岡 良介 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40333306)
阪口 秀 海洋研究開発機構, 地球内部変動センター, グループリーダー (10235145)
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Keywords | 乱泥流 / 海底峡谷 / リチャードソン数 / 形成間隔 / 現位置試験 / コーン貫入試験 / 地震時安定性 / 補償流 |
Research Abstract |
泉は,これまで特殊な形状の大陸棚・大陸斜面にしか適用できなかった乱泥流による海底峡谷の形成理論を拡張し,任意形状を有する大陸棚・大陸斜面に適用できる海底峡谷形成モデルを提案した.モデルでは,乱泥流上面からの海水の連行メカニズムを導入するとともに,実現象をより正確に再現できる底泥巻上の実験式を用いることによって改良が行われている.提案されたモデルを用いた解析の結果,大陸棚から大陸斜面に移り変わる地点(リチャードソン数が1になる地点)では,流れの正則条件から,層厚と浮遊砂濃度,流速の間の関係に大きな制限が生じ,層厚は限られた範囲の値しか取れないことが明らかとなった.また,乱泥流によって形成される海底峡谷の形成間隔スケールは乱泥流の層厚の数百倍から数千倍となることが示された. 渦岡は,NT06-11において,十勝・沖の大陸棚斜面上の海底地盤表層の現位置せん断強度を測定するために,ハイパードルフィンによって遠隔操作できる小型コーン貫入試験機を開発し,我が国で初めて深海底におけるサウンディング調査を行った.その結果を用いて,一定の勾配を有する無限長斜面を仮定し,簡易的な震度法によるすべり安全率で斜面安定性を評価した結果,今回の調査地点における海底面の地震時安定性は比較的高いことがわかった. 阪口は,流体と粒子の相互作用を考慮した,微細粒子の巻上・沈降のシミュレーションモデルを提案した.微細粒子が沈降する際には,それを補償する流れが発生することが発生するが,その仮定をシミュレーションによって再現することができた.
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Research Products
(3 results)