2005 Fiscal Year Annual Research Report
物理計測と計算機力学の融合による土壌空隙径分布の推定
Project/Area Number |
17656158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
椎葉 充晴 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (90026352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 智晴 京都大学, 地球環境学堂, 助教授 (20190225)
市川 温 京都大学, 地球環境学堂, 助手 (30293963)
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Keywords | 土粒子 / 粒径分布 / 空隙径分布 / 物理計測 / 計算機技術 |
Research Abstract |
土壌中の水は、土壌の空隙をつたって移動する。したがって、その流動形態は、土壌の空隙がどのような形で存在しているかに強く影響される。土壌の空隙は、土壌の骨格を構成する土粒子の隙間であるから、その径は、土粒子の粒径分布や土粒子同士の接合の仕方と密接な関係がある。土粒子の粒径分布は物理的に計測可能であるが、実際の土壌において、個々の土粒子がどのように接合し、空隙がどのように分布しているか、非破壊的に調べることは非常に難しい。そこで本研究では、土壌の物理的計測と計算機力学を組み合わせることで、土壌の空隙分布を統計的に推定する手法を確立する。 本年度は、指定された土壌の粒径分布に従う粒子群を計算機上に模擬的に発生させ、これらを規定の容積に充填するシミュレーションを繰り返し行なって空隙径を測定し、その分布を統計的に推定する手法を開発した。粒子の充填シミュレーションには、計算機力学の分野で開発された個別要素法を利用した。個別要素法とは、粒子の集合体の挙動を、個々の粒子の運動を運動方程式に基づいて追跡することによってシミュレートする手法である。この手法を用いて充填シミュレーションを多数回繰り返し、規定の充填密度になった結果を抽出した。そして、それらの結果から空隙径を測定して空隙径の分布を推定したところ、空隙径分布はおおむね二母数もしくは三母数の対数正規分布に従うことが明らかとなった。これは、従来の実測結果と整合的であり、本推定手法の有効性を示唆するものである。
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