2005 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な消費概念の実体化による環境共生都市形成の促進
Project/Area Number |
17656169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花木 啓祐 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 聖 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00323519)
石井 暁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 研究拠点形成特任研究員
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Keywords | 消費者 / 受容性 / コンジョイント分析 / 飲料水 / 二元給水 / 廃棄物 / 分別行動 |
Research Abstract |
持続可能な消費に対する人々の受け止め方を把握するために、水と廃棄物の両者を対象にして、それらの利用形態を変更することに対する受容性をコンジョイント分析などの方法で解析した。まず、水に対しては、味の良い水を求める人々の性向が明確である今日の状況の下で二元給水などのシステムの導入とそれに伴う経費負担に対する受容性を、現状で味が良好とされる水道水質の地域(武蔵野市)と不良とされる地域(東京都北区)を東京都内で抽出しコンジョイント分析を行った。解析結果から、北区および武蔵野市の住民は、エネルギー消費量の減少や、飲料水の味および臭いの改善に対して一定の価値を感じていることが分かった。飲料水の味や臭いの改善に対する評価は、両地区で差があるとは言い切れなかった。現状の水道水の質に対する満足度の差(武蔵野市の住民は、北区の住民と比べて満足度が高い)は、北区の住民については二元給水という新しいシステムに対する期待感があり、武蔵野市の住民については現状維持を望む傾向が強いという形で評価結果に表れた。また、エネルギー消費量の減少に対する評価は、北区の住民よりも武蔵野市の住民の方が高いことが示された。水道水の質に対する満足度が高くなることは、消費者が省エネルギー型の飲料水の利用形態を受容するための必要条件ではないことを示唆している。 一方廃棄物に対しては、プラスチックごみの分別収集やごみ収集の有料化に対する住民意識を統計的に解析した。解析結果から、分別収集に対する受容性の方が、有料化に対する受容性よりも高いことが示された。分別収集に対する受容性に影響を与える要因としては、環境改善に対する期待感が正の影響を与え、手間の負担感が負の影響を与えることが分かった。有料化に対する受容性に影響を与える要因としては、ごみの減量・分別に対する期待感が正の影響を与えることが分かった。
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