2005 Fiscal Year Annual Research Report
白色腐朽菌を用いるダイオキシン類等有害有機塩素化合物の新分解処理法の開発
Project/Area Number |
17656171
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
尾崎 博明 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40135520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 正孝 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119)
濱崎 竜英 大阪産業大学, 人間環境学部, 講師 (50340617)
林 新太郎 大阪産業大学, 工学部, 助手 (60268274)
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Keywords | 白色腐朽菌 / 有害有機塩素化合物 / アゾ染料 / リグニンペルオキシダーゼ / マンガンペルオキシダーゼ / ラッカーゼ / 分解酵素 / OHラジカル |
Research Abstract |
白色腐朽菌の選定 4種の白色腐朽菌(Phanerochaete chrysosprium、Pleurotus ostreatus、Coriolus versicolor、Pycnoporus coccineus)を用いて、産生されると考えられているリグニンペルオキシターゼ、マンガンペルオキシターゼ、ラッカーゼの各酵素を測定した結果、リグニンペルオキシターゼおよびマンガンペルオキシターゼを最もよく産生していたのはPhanerochaete chrysosprium株であり、ラッカーゼを最もよく産生していたのはCoriolus versicolor株であった。また、酵素の前駆体であるALAを添加した実験では、各酵素の産生量が増加し、ALA添加による効率向上についても知見を得た。 白色腐朽菌を用いる排水処理の検討 ラッカーゼを最もよく産生していたCoriolus versicolor株を用いてアゾ染料をモデル排水とした分解実験を実施した。これより初期のグルコース濃度設定を行うことで、菌体の成長、酵素の産生時期、酵素の産生量をコントロールする事がある程度可能であると考えられ、アゾ染料の分解も効率よく行われた。現在、ダイオキシン類を用いて同様の検討を行っている。 分解機構の検討 リグニンペルオキシターゼおよびマンガンペルオキシターゼを最もよく産生していたPhanerochaete chrysosprium株を用い、電子スピン共鳴装置(ESR)にてラジカルの測定を行った。その結果、培養後の試料にはフェントン反応を阻害する物質がある事がわかり、菌の産生物質にはOHラジカルの発生を抑制し、基質を効率よく酸化するという機構の存在が明らかとなった。これより、難分解性有害物質はOHラジカルによる直接的分解ではなく、基質がフリーラジカルとなり間接的に分解すると考えられる。
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Research Products
(3 results)