2005 Fiscal Year Annual Research Report
江戸東京の火災被害の可視化とこれを用いた防火性能評価に関する研究
Project/Area Number |
17656195
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
辻本 誠 東京理科大学, 総合研究機構, 教授 (90115600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 幸夫 東京理科大学, 総合研究機構, COE技術者 (70408764)
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Keywords | 江戸 / 東京 / 火災 / 可視化 / 関東大震災 / 防火 |
Research Abstract |
江戸から東京における400年間の火災事例、特に、江戸時代(1603〜1868)の615件について火災被害を地図上に可視化し、被害の傾向を明らかにする。 そのため現在の場所の比較可能で、江戸の町としての変化が少ない明治12年東京全図を基盤図とした。この地図をGISソフトであるマップインフォを用いてコンピュータ上に取り込み約4800ブロックに区分した街区をポリゴンデータとしてそれに対応する町丁名も入力した。これを基に、江戸時代に発生した火災の中で町名変更などの変化がなく 出火場所が特定できる火災について位置を入力した。現在、旧東京市別にまとめ神田区28件、日本橋区47件、京橋区45件の出火点をプロットし継続中である。その分布をみると出火点が町人地ではほぼ一様に分布していることがわかる。 また、同様に関東大震災について、震災予防調査会中村清二作成の延焼動態図9葉を取り込み、9月1日13時から9月3日7時までの時間別延焼等時線をポリゴンデータとして入力、同調査会井上一之が作成した死者分布と重ね、死者と延焼状況を時刻別にみることがきた。この動きを見ると、被服廠跡地など死者の多くが9月1日18時までに死亡したことが見て取れる。特に本所区、深川区の住民が周辺の火災を避けるためには被服廠跡地に行かざるを得なかった状況や、火災にはさまれ逃場を失って死亡した神田駅や錦糸町駅構内などの状況が把握できる。 さらにこれを基に延焼拡大の状況を風速と風向もあわせてアニメーション化した。これをみると一般の人でも死者の発生や延焼の状況を理解できると考える。
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