2005 Fiscal Year Annual Research Report
超微細セル状表面構造を高機能デバイスに利用するための基礎的研究
Project/Area Number |
17656205
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
谷脇 雅文 高知工科大学, 工学部, 教授 (20133712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 紀子 高知工科大学, 総合研究所, 助手 (80412443)
神戸 宏 高知工科大学, 工学部, 教授 (10299373)
前田 敏彦 高知工科大学, 工学部, 助教授 (50399169)
義家 敏正 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20124844)
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Keywords | ナノファブリケイション / ナノセル / GaSb / 自己組織化 / ボイド / イオン照射 / イオンビーム / 点欠陥 |
Research Abstract |
GaSb、InSbなどの化合物半導体にイオン照射すると表面に微細なセル状構造ができる。 本研究の目的は、この現象を利用して規則的なナノセル構造を自在につくるための基礎的あるいはまた予備的な研究を行うことである.本年度の主要な成果は以下のとおりである. セル状構造形成機構の解明にむけて:面方位(111)Aおよび(111)BのInSbを用いて,イオン照射によって形成される構造の挙動を調べた.注入初期には,配列のちがいによって欠陥形成挙動がことなること,注入がすすみ非晶質化すると,原子移動が活発に生じていることが示された.セル構造形成の原因となる,原子移動がどのような機構で起こっているかを調べるために,モンテカルロシミュレイションを行った.1個の原子空孔で拡散する場合,複空孔で拡散する場合を検討したところ,実験データをよく説明するのは,後者であることが判明した. 規則的ナノセル形成:われわれが提案したナノファブリケイションの検証を行った.まず室温FIBによって,規則的ナノセル形成がどこまで可能か調べた.評価は,SEMによる平面観察によって行った.セル間隔は最小80nmまでの成長が可能であることが認められた.セル間隔が200nm以上では,照射により,セル間に2次的な構造が形成されるため,規則性が崩されていく.さらにこのことは,断面観察によって確認した.この方法で作製したナノセルに異種物質の充填を試みた.FIB中でW,スパッタ法によってAu,レーザーアブレーション法によってFeおよびSiの充填をこころみた.このうち,レーザーアブレーション法によるFeおよびSiの充填がもっとも良い結果を示した.
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