2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656207
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高村 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30250715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 益男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80133049)
亀川 厚則 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292242)
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Keywords | 高圧合成 / 水素化物 / 電子状態解析 / イオン伝導度 |
Research Abstract |
数GPaの高圧下で合成される新規な水素化物においてハイドライドイオン(H^-)伝導の可能性を検討することが本研究の目的である。今年度は以下の3項目を実施した。 1.蛍石型結晶構造を有するMg-Y系水素化物の合成と物性 まず、立方晶蛍石型結晶構造を有することが明らかとなっているMgY_2H_X水素化物の高圧合成条件の確立、結晶構造の精密解析、ならびに水素量の同定を実施した。目的の高圧水素化物は5GPa、800℃、2時間の合成条件により単相化された。SEM-EDXの組成分析結果と粉末X線回折データを用いたリートベルト解析によりMgとYは4aサイトを各々1/3、2/3の占有率でランダムに占めることが示唆された。水素量は溶解抽出法と熱重量分析からx=7.8であることが確認された。これらの結果よりMgY_2H_<7.8>水素化物中には水素空孔が存在することが明らかとなった。また、陽イオン-水素間の結合に関する知見を得るためにBader解析が実施された。 2.ペロブスカイト型及び蛍石型結晶構造を有する新規水素化物の高圧合成 イオン伝導の発現に有利であると推測されるペロブスカイト型及び蛍石型結晶構造を有する新規水素化物の探索を実施した。対象系はMg-TM-H系(TM=Zr, Nb, Mo)とした。これらの系には常圧下で合成されない新規な高圧水素化物が存在したが、それらの結晶構造は単斜晶系や六方晶系など対称性が低いものであった。 3.高温高圧下におけるイオン伝導度測定技術の確立 高温かつ数GPaの高圧下でのイオン伝導度の測定手法を検討した。水素化物の測定に先立ち、標準試料として単結晶8YSZを用いて2〜5GPa、最高温度900℃の条件下で複素インピーダンス解析を行える環境を構築した。その結果、8YSZの酸素イオン伝導に必要な活性化体積が1〜2cm^3/molであることが明らかとなった。この手法を来年度水素化物のイオン伝導度測定に利用する。
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Research Products
(3 results)