2006 Fiscal Year Annual Research Report
非鉛系新規強誘電体ニチタン酸バリウムの元素置換による誘電特性制御
Project/Area Number |
17656209
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塗 溶 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80396506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 禎一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10333882)
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50209459)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
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Keywords | 二チタン酸バリウム / 強誘電体 / 非鉛系 / 元素置換 |
Research Abstract |
BaTi_2O_5は高いキュリー温度(748K)および大きな誘電率を有することから、高温で使用できる非鉛系強誘電体材料として期待される。本研究では、BaサイトをSr、Ca、MgおよびTiサイトをZr、Nb、Ta等の異元素の固溶置換によってBaTi_2O_5の優れた誘電特性を広温度域で持たせることを目的とした。そこで、本研究では、アーク溶解法および浮遊帯域溶融法によりSrO、MgO、ZrO2、Nb_2O_5をそれぞれ添加したBaTi_2O_5多結晶体を作製し、誘電特性に及ぼす異元素添加の影響を調べた。 BaCO_3、TiO_2およびMgO、ZrO_2粉末をBa_<1-x>MgXTi_2O_5およびBaTi_<2-y>Zr_yO_5の式で秤量・混合した後,アーク溶解炉により溶融した。凝固体を1323Kの空気中で43ks熱処理した。試料の両面に金ペストを塗布し,交流インピーダンス法により誘電特性を評価した。周波数(f)を10^2-10^7Hz,測定温度を293〜1073Kとした。 MgOおよびZrO_2を添加したBaTi_2O_5は、いずれも柱状多結晶であり、(020)方向に強く配向した。BaTi_2O_5へのMgOとZrO_2の固溶限はそれぞれ、x=0.05とy=0.07であった。異元素を添加しないBaTi_2O_5の誘電率は約2000であったが、x=0.005のMgOを添加すると、誘電率の極大値が約3300に増大したが、MgO添加量の増加につれて減少した。異元素を添加しないBaTi_2O_5のキュリー点は743Kであったが、x=0.01のMgOの添加によりキュリー点が700Kに減少した。さらにMgO添加量の上昇につれて、誘電率のピークはフラットになった。y=0.005のZrO_2を添加すると、誘電率の極大値が約3000に増大し、ZrO_2添加量の増加につれて誘電率のピークがブロードになり、減少した。y=0.05までのZrO_2添加によりキュリー点が直線的に減少して490Kになり、さらに、y>0.05のZrO_2の添加によって、キュリー点はわずかに減少して470Kになった。y=0.07以上のZrO_2を添加したBaTi_2O_5では、測定周波数の増加にっれて誘電率は減少し、誘電率の極大値を示す温度は増加し、リラクサー的挙動を示した。Nb_2O_5およびTa_2O_3の添加によってもリラクサー的挙動を示したことから、Tiサイトへの置換により、リラクサー的になりやすい傾向が確認された.
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Research Products
(6 results)