2006 Fiscal Year Annual Research Report
電気泳動堆積法を応用した炭化ケイ素長繊維強化炭化ケイ素複合材の作製
Project/Area Number |
17656219
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢野 豊彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (80158039)
|
Keywords | セラミックス / 複合材料・物性 / 繊維強化 / 電気泳動法 / 炭化ケイ素 / アルミナ |
Research Abstract |
SiCが導電性を示すことに注目して、電気泳動堆積により、SiC織布を電極として、はじめに繊維コーティングとなる物質を均一に堆積し、次いで、繊維織布の間隙を埋めるためのマトリックス材料であるSiCを堆積させ、それを用いてSiC長繊維強化SiC複合材料を作製するプロセスを開発することを目的とし、下記のことを明らかにした。 (1)連続電気泳動堆積実験:平成17年度の実績に基づき、コーティング材料厚さが0.5ミクロン程度に設定し、引き続き、コーティング材及びマトリックス材を堆積させる条件を検討した。その結果、ゾル状カーボンを用いることで良好なコーティングが作製できること、またSiCと焼結助剤を含むマトリックス成分の沈積は0.5V/mm、 pH10、20分で良好にできることが分かった。 (2)ホットプレスによる複合材料の作製とその複合材の評価:(1)により得られた堆積後の織布と、別途シート成型法により作製したSiCグリーンシートを交互に積層し、300℃で24時間脱脂・乾燥後、ホットプレス法にて焼結体を作製した。焼結温度1700℃、保持時間1時間、圧力40MPaでAr雰囲気で焼結することにより比較的高密度の焼結体が得られることが明らかとなった。焼結体の相対密度は85-90%であり、最大強度は150-180MPaであった。また、破壊様式は、非脆性破壊を示し、その程度は、焼結温度や、カーボン被覆条件に依存することが明らかとなった。組織観察から、マトリックス成分の含浸の程度と繊維引き抜けの程度を明らかにした。焼結温度が高い、1750℃での焼結では、脆性的な破壊に至ることが分かった。 (3)電気泳動沈積法を応用したアルミナ長繊維強化アルミナマトリックス複合材の作製:同様な手法にて、アルミナ長繊維強化アルミナマトリックス複合材の作製を試み、製造プロセスを明らかにした。
|
Research Products
(3 results)