2005 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属フェライト系複合材料中の界面誘起金属-絶縁体転移
Project/Area Number |
17656220
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
末松 久幸 長岡技術科学大学, 極限エネルギー密度工学研究センター, 助教授 (30222045)
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Keywords | ニッケルフェライト / 急変サーミスター / 界面 / 相転移 |
Research Abstract |
遷移金属フェライト多結晶体の急変サーミスター特性発現機構解明とその応用を目指すため、本年度はNi-Fe-O系焼結体の急変サーミスター特性発現機構解明の研究を行った。 これまでの研究により、Ni-Fe-O系の急変サーミスター特性は、1)NiFe_2O_4-NiO界面、2)未知の低温相転移、3)化学吸着により発現すると考えられている。1)〜2)の仮説に従い、機能発現機構解明のための実験を行った。 1)NiFe_2O_4-NiO界面 NiFe_2O_4+1vol.%NiO混合粉末を600-1000℃で大気中1時間焼結し、その電気抵抗率温度依存性を測定した。焼結温度600℃の試料では、200℃で電気抵抗率の急減が見られ、これは以前の結果と一致した。焼結温度800℃の試料では同様な特性が観察されたが、焼結温度1000℃の試料ではこれが見られなくなった。このことから本試料の急変サーミスター特性は、気孔率、比表面積、細孔径分布など焼結度に関連して発現することが分かった。 2)未知の低温相転移 NiFe_2O_4-1vol.%NiO試料を200-600℃に加熱した後、室温に急冷し、この試料のX線回折測定を行った。この結果、徐冷試料と急冷試料の間に構造の違いは見られなかった。これにより、急変サーミスター特性を示す試料には、急変サーミスター特性発現温度近くでの構造相転移はなく、これ以外の原因により帰納が発現していることが判明した。
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