2005 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス相のナノ結晶化による1MA/m級超高保磁力鉄-白金-ホウ素磁石の創成
Project/Area Number |
17656222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10108566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 偉 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20400400)
LOUZGUINE D.V 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60302212)
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Keywords | Fe-Pt-B合金 / ナノコンポジット磁石 / 液体急冷法 / アモルファス相 / 交換結合作用 / 結晶化 / 保磁力 / 熱処理 |
Research Abstract |
本年度の成果として、新型低Pt濃度のFe-Pt-Bアモルファス合金を合成した。また、熱処理により、Fe-Pt-Bアモルファス合金を結晶化させ、新規なγ_1-FePt/Fe_2Bナノコンポジット磁石を開発した。また、このアモルファス合金の結晶化挙動およびγ_1-FePt/Fe_2Bナノコンポジット磁石の高い硬質磁性の生成原因を明らかにした。 新型低Pt濃度のFe-PtにB元素の添加により、合金アモルファス形成能を向上させ、液体急冷法により、アモルファス単相あるいは粒径が約5nmのアモルファス相とfccγ-FePt相の均一な混合組織が形成された。このアモルファス合金が3階段の結晶化反応を示し、初晶としてfccγ-FePt相が析出した後、Fe_2Bおよびfctγ_1-FePtが析出した。このアモルファス合金は熱処理により結晶化させた後、平均粒径が約15-25nmのfctγ_1-FePt、Fe_2B、fccγ-FePtおよび残存アモルファス相の複相組織を形成し、優れた硬質磁性が得られた。残留磁束密度(B_r)、保磁力(_iH_c)および最大エネルギー積(BH)_<max>はそれぞれ0.96-1.15T、340-480kA/mおよび102-127kJ/m^3の範囲にあった。この高い硬質磁性は、ハード磁性相のfctγ_1-FePtとソフト磁性相であるFe_2B, fccγ-FePtおよび残存アモルファス相間の交換結合によるものである。 アモルファス合金の結晶化により高い硬質磁性を示す新規γ_1-FePt/Fe_2Bナノコンポジット磁石を発見は、非平衡材料および磁性材料の基礎研究および応用の発展には重要であると認識された。
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