2006 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス相のナノ結晶化による1MA/m級超高保磁力鉄-白金-ホウ素磁石の創成
Project/Area Number |
17656222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 明久 東北大学, 総長 (10108566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 偉 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20400400)
D.V LOUZGUING 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60302212)
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Keywords | Fe-Pt-B合金 / ナノコンポジット磁石 / 液体急冷法 / 合金元素の添加 / アモルファス相 / 結晶化 / 保持力 / 熱処理 |
Research Abstract |
本年度の成果として、Fe-Pt-B系において、組成の調整および合金元素の添加により、液体急冷法による作製したリボン材の組織と磁気特性を調べた結果、Fe_<bal.>Pt_xB_<18-20>(x=28-35)合金では、平均サイズ約40nmのL1_0FePtおよびFe_2B相からのナノコンポジット組織が形成され、700kA/m保磁力を持つ硬質磁気特性を示した。例えば、Fe_<52>Pt_<30>B_<18>合金においては、残留磁束密度(B_r)、保磁力(_iH_c)および最大エネルギー積(BH)_<max>は、それぞれ0.70T、783kA/mおよび88kJ/m^3であった。Fe-Pt-Bに少量なCo、Pの添加により、合金のアモルファス形成能を向上させることが確認された。熱処理により結晶化させた後、平均粒径が約30nmのL1_0FePtおよびFe_2B相からのナノコンポジット磁石が得られ、優れた硬質磁性が得られた上、保磁力をさらに増大することがわかった。 また、Fe-Pt-Si合金において、液体急冷材の組織および磁気特性を調べた。Fe-Pt-Siでは、より高いアモルファス形成能を持ち、液体急冷法による広い組成範囲でモルファス単相がが形成されることが分かった。このアモルファス合金は熱処理により結晶化させた後、平均粒径が約40nmのL10FePt, PtSi and Pt6Si5の複相組織を形成したが、大きな保磁力および優れた硬質磁性が得られなかった。これは、Fe-Pt合金にSiの添加することで、PtSi and Pt_6Si_5相の析出により、L10FePt相の体積分率が低下させる結果である。 Fe-Pt-B合金において液体急冷法で直接に高い保磁力を持つL10FePt・Fe_2B型のナノコンポジット磁石を作製することは、非平衡材料および磁性材料の基礎研究および応用の発展には重要であると認識された。
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Research Products
(2 results)