2005 Fiscal Year Annual Research Report
デンドライト成長を利用した完全配向半導体バルク多結晶の成長技術の開発
Project/Area Number |
17656223
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 航三 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70332517)
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Keywords | Siバルク多結晶 / 太陽電池 / キャスト法 |
Research Abstract |
本研究では、一方向成長キャスト法において成長初期過程にデンドライト結晶を坩堝壁に沿って成長させ、このデンドライト結晶上面にSiバルク多結晶を成長させる「デンドライト利用キャスト法」により、粒方位、粒サイズ、粒界性格を制御した太陽電池用Siバルク多結晶を作製することを目的としている。本年度は、Siバルク多結晶の融液成長過程の直接観察装置を用いて、一方向成長の初期過程にデンドライト結晶が成長する条件を明らかにし、この条件をキャスト法に適用することを試みた。その結果、結晶粒サイズが3cm以上であり、かつ、成長方向の方位が(112)面または(110)面に60%程度揃った150mmφのSiバルク多結晶インゴットの成長に成功した[1]。このSiバルク多結晶を基板に用いた太陽電池の特性が、従来のキャスト法で作製されたSiバルク多結晶を用いた太陽電池の特性を上回ることを実証した。また、デンドライト利用キャスト法により作製されたSiバルク多結晶は、従来の成長法により作製されたSiバルク多結晶と比べて、インゴットの上部においても特性の低下が少なくなる傾向がみられた。 一方向に完全配向したバルク多結晶インゴットを成長するためには、デンドライト結晶の成長方位と成長条件との相関を明らかにする必要があり、来年度へ向けて現在研究を遂行している。 [1]K.Fujiwara et al. J.Crystal Growth (in press).
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