2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規なインターカレーションに基づく超高速充放電可能なLiイオン2次電池の開発
Project/Area Number |
17656228
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石原 達己 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (80184555)
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Keywords | グラファイト正極 / Liイオン電池 / 高レート特性 / インターカレーション / 添加物効果 / 高エネルギー密度 |
Research Abstract |
本研究では炭素がPF_6^-などの陰イオンを電気化学的にインターカレートできる点に着目し、正極および負極でそれぞれ、支持電解質のLi^+および対アニオンのインターカレーションに基づく新しい概念の2次電池の開発を検討した。まず、種々の炭素のインターカレーション容量を検討したところ、グラフェンシートの面間隔の小さくなる(002)面の面間隔が小さくなるほど、PF_6^-のインターカレーションを生じ易いことを明らかにした。とくに、面間隔0.334nmの結晶性グラファイトが大きなインターカレーション容量を示すことを明らかにした。次にインターカレーションできる電位について検討したところ、PF_6^-のインターカレーションできる電位は4.5,5.0,5.2V付近にあり、デインターカレーションする電位は5.0,4.7,4.2Vにあるので、Liイオン電池の正極として十分使用可能なことがわかった。5.4Vまで充電電位を向上させることで、正極容量は約90mAh/gと大きくなることがわかった。電解液について検討したところ、電解液としてはEC-DMC系の電解液が適し、可逆容量は110mAh/g程度まで増加することがわかった。さらに、表面への添加物がPF_6^-のインターカレーション容量の変化に及ぼす影響を検討した。種々の金属の添加を検討したところ、AgまたはAuを添加すると初期容量の向上には有効であったが、これらの金属は電解液を分解する触媒としても作用するので、現在までのところ、添加物を用いない方が繰り返し特性に優れることがわかった。
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